愛されたかった、でも、それを口に出さずに黙っていたがゆえに、その手を永遠に失ってしまった。

2年前、鬱病になったとき、カウンセラーに「あなたが受けていたのは立派な虐待です」って言われた。
その病院通いが親にばれたとき、母は号泣しながら「ごめんなさい」と言って、「今、あなたのことを抱き締めたい」って言われた。
当時の私はその手を振り払ってしまった。
あの時、母は「そうだよね。今さらそんなこと言われても抱き締められたくないよね」と言って、泣きながら帰っていったんだった(私が一人暮らしだったので)。

その母が肺ガンになり、あっという間に脳に転移して脳梗塞をおこし、もう意識がなくなってしまった。
母の肺ガンは、見つかったときすでに4期だった。
ものすごく苦しかっただろうに、実家に帰った時、
父は「3月3日にあわせて、お母さんが一生けんめい市松人形を引っ張り出してきて、桃の花を飾っていたよ」と言われて涙が止まらなかった。

母の全てをいまさら美化するつもりはない。私が小さいときに受けた傷をなかったことにするつもりもない。
だけど、だけど、ことあるごとに、病気の治った私と出かけたがっていた母を無下に扱い、母を傷つけていたのは私だったことは事実。

悔やんでも悔やみ切れない。私は、その母との残り少ない時間を共有しようという気になれないままだけど。。。
でも、そんな自分を責めてしまう。
どうしてあの時、母の手を振り払ってしまったんだろう。分かり合うことを無駄だと諦めて、逃げていたのは自分だったんじゃないかなって。
愛されたかった、でも、それを口に出さずに黙っていたがゆえに、その手を永遠に失ってしまった。
今、ものすごくさみしい。


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