ムカデ

828 名前:名無しさん@お腹いっぱい。:2009/02/22(日) 17:02:48
漏れが小さい頃、親戚の叔父さんが家に遊びに来ては必ず同じお土産を置いてった。
ビニールの袋に入って包装紙でくるんであった。
親父の好物らしく、しかしそれを食べているところは見たことがなかった。
ある日、学校から帰って腹へってたが冷蔵庫には何もなく
台所をあさってたら例のビニール袋が出てきた。
中身見て1メートル後ろに吹っ飛んだ。
乾燥したムカデが入っていた。
その日から親父が漏れにとって遠い存在になったのは言うまでもない。

それから漏れは社会人になって会社の出張で静岡に行った。
ふと現地の乾物屋に入ってみると昔親父が好物だったムカデの乾燥したものを見つけた。
漏れはそれを見て深く溜め息をついた。
飴色のツヤツヤしたその物体はムカデではなくウナギの骨の珍味だったのだ。
「ご試食いかがですか?」
乾物屋の店員がニコニコしながら近づいてきた。
漏れは少し手に取って口にほうり込んだ。
香ばしくて甘辛くて美味だった。それを味わっていると涙がボロボロこぼれてきた。
漏れは1袋買った。
実家に帰り、仏壇の親父の遺影の前にそれを供えた。