おあく!

小学生の頃、感情を表に出すのが苦手で友達を作れずにいた。
でも俺は「お前らとはちがうんだし。」的な思考があったから、
本当は寂しくて皆と楽しくやりたいのに一人冷めたフリして、
フリがいつしか通常になって自分のココロと現実が離れてしまって
いわゆる「ぼっち」になっていた。

友達は飼い猫の「おあく」だけ。
「おあく」はご飯を食べるとき「おあく!おあく!」とヘンな音をたてる不思議な猫だったが、
俺が小学校の卒業式の日早朝に突然姿を消した。
俺と俺の家族は朝から必死で探した。
普段から窓を開けても出てくようなオーちゃんじゃないから、
何故その日出て行ったのかは解らない。
とにかく近所を中心に、
(俺の卒業式だから両親は休み、姉ちゃんは春休みだったので)家族で探した。
午前十一時、もう卒業式も始まってる頃一旦家に帰ると「おあく」は綺麗に棺におさまってた。

交通事故でおとんが近所で見つけたらしい。
胴体は花で覆われてて、家族が随分とコドモな俺に気を使ってくれてたのだなと今思う。
だが当時の俺には「おあくの死」が猛烈な衝撃で、
それから行った卒業式はとりあえずたいへんだった。
そりゃそうだよ、だって一番冷めてる筈の「ぼっち」が大号泣してんだもん。

式が終わって、クラスに戻ったら割と俺とは「壁の薄い奴」が声かけてきた。
「なんでそんなに泣くん?」

習慣で取り繕って大人びた事言いそうになったら、
涙が止まらなくて声かけられた事が心のダム壊して
「おあくが、おあくが!あWせDRFTGYふじこ!うああああああ!」ってなった。

俺にとっては恥ずかしい思い出だけど、
それから悲しいこととかいろいろ友達に話せるようになった。
中学から人生が変わった。

大学浪人でまた人間関係でつまづくけど、
「おあく」の死が俺に教えてくれたものは大きかったなあ。
「おあく」ありがとな。いずれな。