うりうりうりうり

高校の時に犬を家族で飼った。
当時俺は真面目で、家では親に敬語、部活と勉強両立しながら、オタ生活を送っていた。
容姿は気持ち悪がられる事はないが、顔がデカくて口下手なせいでぼっちだった。
まぁ真面目な事もあって親からは期待され、姉がいたんだが、姉にも真面目な弟として振る舞っていた。
犬、しかも流行りのチワワを買うとあって俺は最初抵抗した。大体、ウチにそんな金あるのか!と思った。

でも実際チワワが家に来てみると、目茶苦茶可愛いかった。
しかし、俺は家族の目を感じて、親や姉の前では「よしよし」と撫でるくらいしかしてなかった。つんつんしてた。
ある日俺は留守番を任された。家には自分とチワワ(名前は太郎)のみとなったので高揚し、いつもの百倍は可愛がった。
「太郎タソはギザカワユスなぁ」「もきゅもきゅもきゅきゅ~♪」とか普段は絶対言わないことを口走ったりした。
それからは一人になった時は愛情を太郎に注いだ。
一緒に犬食いでチャーハン食べたり、お風呂入ったり、歯も磨いてあげた。
膝の上に乗っけて2ch一緒に見たり、TV観ながら一人腹話術で
「太郎、この芸人面白いか~?」「ウン!ぼくは好きだお~」とかやったし、
「お゛ほぉ~今日の太郎のうんちは臭いぞぉ~」ってトイレ処理もした。
極めつけは身体の至る部分を甘噛みしてあげて反応を楽しんでた。
きゃん、とか吠えられると「痛かったか?フヒヒヒヒィ!」なんて悦に入ってた。
相当キモかった。顔の筋肉は緩みまくり、太郎になつかれようと犬の真似してたんだからよだれ垂れ流しだった

ある日の休日、遅く起きてしまった。家族はもう出てったかな、なんて思いながらリビングで太郎とじゃれてた。
太郎を指で突きながら
「うりうりうりうりURYYYYYY!」
「ちゅんちゅん!ちゅんちゅん!フヒィ!フヒヒヒヒ!ふひゃははははぁっ!?」ってやってたら、
「〇〇(俺)?何してんの?」
いないと思っていた家族三人が、いた。ただ単に俺が1番早く起きていただけだった。
俺含め4人は呆然としていた。
それからというもの、俺と家族との間の妙なわだかまりは消え去り、ちょっとした事で笑い合い、
成績が少し落ちても笑って許してくれるようになってた。毎日が幸せでした。
ありがとう、太郎。
お前が治らない病気で天国に行ってから、ちょうど一年が経ちました。